【Before The  Huddle 第3回】
西方一平 「自己実現のフットボール」
 
成城高校より中央大学に入学。
高校時代はサッカー部でアメフトは未経験。ポジションはDB。
昨年の春シーズンは試合に出場するも秋シーズンは出場なし。
今年の春シーズンからスタメンとして活躍。
安定感のあるプレーにチームからの期待と信頼は大きい。
 
 

(3年 DB 背番号34番 175cm 74kg)
 
 
《Q 1:アメフトを始めたきっかけを教えて下さい》
 
成城高校時代のサッカー部の先輩である金澤さん(49期 WR)に誘われたのがきっかけです。
 
中央大学に入学したことを伝えたところ、食堂に呼ばれて誘われました。
金澤さんには高校時代によくいじられていました。
 
《Q 2:サッカーにおいてアメフトに活かせた能力はありますか?》
 
サッカーは幼少期からやっていました。
ポジションは当時からずっとボランチでした。ボランチは中盤で攻守ともに絡むポジションであり、後ろの状況を一瞬で見て相手の数や位置を把握して動くことが重要でした。
現在アメフトをするにあたって相手のパスコースなどを瞬時に把握し、予測するという所にサッカーとの共通点があり、生かされていると感じます。
勿論クイックネスなども生かされているとは思いますが、これはサッカーに限ったこことではないと思います。
 
 
《Q 3:未経験から試合に出場するにあたって工夫したことを教えて下さい》
 
確かに、最初から未経験でTOP8の試合に出て活躍出来る自信は全くありませんでした。その点に関しては自分にとって金澤さんの影響は大きかったです。
 
高校サッカー時代共にプレーしていた金澤さんが試合に出て活躍していた姿が自分の励みになりました。これはラクーンズに入った理由の一つでもあります。未経験の人が活躍している姿をみて自分も活躍してやろうと思いました。
 
 
実際の取り組みとしては、とにかく「上手い人の真似をして吸収する事」を心掛けました。
 
例えば同じポジションの先輩である金子さん(4年 DB)や古和田さん(4年 DB)のステップやヒット、プレー以前の様々な所作までも真似しました。
これが自分自身の成長を促進した大きな要因だと思います。各選手の良いところを取り入れたら最強になるんじゃないのかなという考えです。
真似する過程としては、とにかく練習や試合のビデオをひたすら見ていました。今もそうですが気がついたら見て研究しています。
 
真似をすることは先輩に限った話ではありません。
 
同期の井上賢信(3年 DB)からも多くを学んでいます。
お互い未経験でアメフトを始めましたが、始めた当初は自分の方が絶対に上手いと思っていました。しかし昨年の夏合宿あたりから急成長してコーチの評価も上がっていた為、かなり焦りました。
その時に賢信の良いプレーや、プレーに対する姿勢を全部真似しようと思い、当時は賢信の練習ビデオを相当見て吸収しました。
今年の冬にはフィジカルの数値を大きく上げていたのでそこに関しても焦りを感じました。今思えば切磋琢磨して成長してきたと思います。
 
未経験として試合感に慣れることも苦労しました。
 
試合を通して、練習と試合は全く違うという事を痛感して、高校時代からやっている経験者とは差があるなと感じました。
しかし合同練習などを積極的に組んで頂いたことで試合感を徐々に掴んでいくことができました。当時は合同練習が多く辛かった記憶があります。
 

(左:西方 一平   右:井上 賢信)
 
《Q 4:アメフトをするに当たってのポリシーは何ですか?》
 
自分はとにかく負けず嫌いです。
 
しかし、それとは矛盾してしまうかもしれませんがプライベートではあまり前に出るタイプではなく、消極的になってしまうところがあります。
そんな自分が嫌いでした。
 
それ自体は勝ち負けではないですが、そんな自分を変えるためにスポーツで勝ってやろう、アメフトで取り返してやろうという気持ちでやっています。
そんな自分のコンプレックスを克服するためにも、勝ち負けのはっきりするアメフトで勝ち続けてやろうと思っています。
 
アメフトとは、理想の自分を表現する格好の場であり、自分にとっての自己実現の場です。
 

 
《Q 5:昨シーズンを振り返って印象深いシーンはありますか?》
 
昨年の秋シーズンは試合に出られていないので、春シーズンの話をさせてもらいます。
 
自分が初めて本格的に試合に出させて頂いた春シーズンの明治戦が一番印象深いです。
その試合は、カバー3の際に自分のゾーンに投げられたパスを防ぎきれずにタッチダウンを取られてしまいました。
その試合は7点差で負けてしまい、自分のせいで負けてしまったという思いが強かったです。
それがとても悔しく、当時は誰にも文句を言われたくないという気持ちで練習をしていました。このプレーがあるから今の自分があると言えるかもしれません。
 
また、自分がパスをカットしたプレーは自分に対する戒めのような意味があると思います。
自分がタッチダウンされる数プレー前のプレーなのですが、対外戦で初めて良いプレーが出来たのでとても嬉しかったです。
しかし、このプレーは自分の中ではたまたま出来た良いプレーであり、試合を通して自信を持ってプレーすることは出来ませんでした。
今となってはあのような良いプレーが当たり前に出来るようでないとCBは務まらないと思っています。
 
東大戦ではCBである自分が止めなければならないオープンのランプレーが多かったのですが、自分はそれを全然止められませんでした。
ずるずるヤードを稼がれて負けてしまったのはとても印象的です。
フィジカルも通用せず、自分を全否定されたような気がしました。
練習で上手くいくのに試合では上手くいかないことがあるというのを痛感した為、それ以後は試合で出来る動きなのかを練習からかなり意識するようになりました。
 

 
 
 
《Q 6:今シーズン注目してほしい所を教えて下さい》
 
WRとの一対一の勝負に注目してほしいです。
下半身のクイックネスだけでなく、フィジカル面の強化により上半身を使った守り方もできるようになりました。
 
また、昨年よりもシチュエーションやレシーバーの分析によってパスコースを予想して動けるようになったのでインターセプトを量産します。
 
 
《 Q 7:今シーズンにかける思いをお願いします。》
 
正直プレッシャーをもの凄く感じます。
 
今までは自分のことしか考えられていませんでした。しかし、上級生となりチームに対して深く考える機会が増えた為、以前よりも勝利に対する責任を強く感じます。
 
また、未経験で入部した自分を1から指導して下さった先輩に対してプレーで恩返しをしたいという気持ちがあります。
 
自分自身、試合を通して成長するプレーヤーだと思うのでシーズンを通して成長する自分に注目して下さい!