【監督会からの声明文】
関東学生アメリカンフットボール 1 部リーグ監督会は本日、監督会としての姿勢をあらためて表明する声明文を発表いたします。
2018 年シーズンも佳境を迎えるところですが、監督会の指導者全員が、今年 2 月に発足した監督会の原点をあらためて見詰め直し、「学生の成長」と「フットボールの発展」という大きな目的のために、一般社団法人関東学生アメリカンフットボール連盟とこれまで以上に協力体制を強め、まい進していく決意を表したものとなります。
 

「声明文」

私たち、関東学生アメリカンフットボール 1 部リーグ監督会は、一般社団法人関東学生アメリカンフットボール連盟と協働して「学生の成長」と「フットボールの発展」を推進していくため、建設的な意見を出し合うことを目的として、今年 2 月に発足しました。これまで、主に安全対策や日本大学アメリカンフットボール部の問題について議論してきましたが、2018 年シーズンも佳境を迎えるにあたり、今一度監督会の原点に立ち返り、監督会としての姿勢をあらためて表明いたします。
私たちは、学生フットボール本来の目的である「学生の成長」と「フットボールの発展」を実現するには、連盟と監督会の双方が私心を捨てて、一致団結する必要があると考えます。
私たち監督会メンバーの大半が学生だった時代は、東西大学オールスター戦である「西宮ボウル」や米国アイビーリーグ選抜チームを招いた「アイビーボウル」など、国内外のチームや選手との交流があり、選手としても人間としても大きく成長する機会となりました。
さらには、米国大学オールスター戦の「ジャパンボウル」や NFL プレシーズンゲームである「アメリカンボウル」など、本場のフットボールを体感できる興行がいくつもありました。そのような環境をつくり、私たちに体験させてくれたのは、まさに「私心を捨てて」フットボールの発展に力を注いだ当時の大人たちでした。
今の私たちに、そのようなことができるのでしょうか。そして、今の学生たちに、そのような体験させてあげられているのでしょうか。自戒の念を込めて言うと、今の学生たちは物質的に恵まれ、得られる情報も飛躍的に増えてはいますが、一昔前と比べて、さらなる成長の機会が与えられているかといえば、決してそうとは言えない現状があります。
当時と比べ、米国の学生アスリートを取り巻く環境は、各段に進化してきました。米国の大学は、単に競技力にとどまらず、安全や学業、学校のブランド力向上、そして興行など、さまざまな面で目覚ましい発展を遂げています。この米国を目標とし、少しずつでも追い付いていくには、関係者一同の不断の努力が欠かせません。そのためには、連盟と監督会の皆で広く、かつオープンに議論し、関東学生アメリカンフットボールを民主的に運営していくことが重要だと考えます。手前味噌ではありますが、監督会はここ 8 か月余りの議論で、そのような土壌ができつつあると自負しています。
連盟と監督会は、情報を共有して自由闊達な議論を展開していくことによってコンセンサスを醸成し、大きな目的である「学生の成長」と「フットボールの発展」に向けて適材適所の人材配置や時代に合わせた柔軟な対応を取っていきたいと考えています。私たちは二つの大きな目的のために、これまで以上に連盟と力を合わせ、新しいことにも果敢に挑戦していく意気込みです。

日本のスポーツ界では現在、さまざまな問題が噴出しています。さしたる根拠のない旧態依然とした「伝統」や、自由にモノを言うことができないパワーハラスメントのような上意下達の雰囲気、あるいは独善的な指導者や協会関係者の存在。フットボール界においても、日本大学の守備選手による危険なタックルに端を発し、大学のガバナンスまで問われることになった一連の問題がありました。
監督会としては、先進的なスポーツであるアメリカンフットボールが、これらの問題をいち早く解決するとともに、フットボール界自らが発展的な改革をしていく必要があると考えています。監督会には、9 月に日本大学アメリカンフットボール部の監督に就任した橋詰功氏が新たに加わりました。私たち従来の監督会メンバーも、再建に向けて歩み始めた日大に対して、できる限りの協力をしていくつもりです。
関東学生フットボールを民主的に、そして透明性の高い運営をするために、肖像権や放映権、興行権、商標権などの各種権利を整理していくことも必要です。同時に、権利と引き換えに果たすべき義務は何か、連盟と監督会で議論し、特に学生アスリートの権利を守るよう努めていきます。さらには、アメリカンフットボールが学生スポーツの健全な発展をけん引し、日本のスポーツ界の改革の先駆けとなるよう、尽力していく所存です。

2018 年 10 月 29 日

関東学生アメリカンフットボール 1 部リーグ

監督会指導者一同