【Before the Huddle 対談インタビュー第5回】
OLコーチ大塚傑大 ×OL 52期山口輝

Q. 大塚コーチがラクーンズでコーチを始めたきっかけ
大塚傑大:
僕自身中央大学出身で学生時代日本一になれなかった悔しい想いがありました。それが社会人でアメフトを続けながらも心の中に残っていて、いつかまたラクーンズに関わりたいと思っていました。自分が現役を終えた時、蓬田コーチにラクーンズに関わりたいですと相談をし、何が1番ラクーンズに還元できるかと考えた時にやっぱりコーチだと思いました。その時、前任のOLコーチが辞任するタイミングでもありOLコーチとしてラクーンズに帰って来ました。自分もラクーンズで日本一になりたいという思いが強いと同時に悔いもあったのでそれが一番の動機です。大学時代の先輩や後輩(蓬田コーチ、櫻井コーチ、木本コーチ)も今ラクーンズでコーチとして一緒に活動しており、当時と変わらない関係があります。蓬田コーチは高校から先輩後輩関係で長くお付き合いがある方で、気心知れずなんでも言える仲です。
Q. 山口選手からみた自分の成長
山口輝:
昨年のポジション変更が1番自分のフットボール人生で大きな転機でした。2年間DLで試合に出場することはありましたがこれといった活躍ができず悩んでいた時期でした。その時、蓬田コーチからOLへのポジション変更の話を受けました。自分を必要としていると思えたことで、OLにいってこれから自分がチームを引っ張っていかなくてはならないと感じました。そこからは時間もなく、考えても上手くならないと思ったので、できることは全てやろうと思いました。去年の夏に比べOLとしてチームの戦力になれるようになったと思います。今純粋にフットボールが楽しく、OLへポジション変更してよかったと思っています。
Q. 大塚コーチから見た山口選手の成長
大塚傑大:
去年の夏にOLに転向して、順調にアメフトのスキル面でも成長していると思うし、1人の人間としても去年から成長していると感じています。
アメフトのスキルでいったら、もともとサイズという素晴らしいものをもっていて、そのサイズを活かしたブロックを体現できるようになってきています。また人としては、最上級生として自分のことをやりながらも、下級生や同期を引っ張って行かないといけないという立場で底上げをしてくれていると思います。引き続き自分の成長もしながら、下級生を引っ張っていったらチーム全体に影響があると思うので、これからも頑張っていってほしいです。
Q.  2人にとってアメフトとは
山口輝:
いつもなくてはならないものです。基本的に毎日アメフトについて考えていて、オフの日でも離れることのない存在です。
大塚傑大:
僕もアメフト中心でやってきていて、僕の性格はアメフトという競技を通じて作られてきました。アメフトを通じて仲間、目標設定することの大切さ、目標を達成することの大切さ、挫折など人生の喜怒哀楽はアメフトで感じてきました。

Photo by Yuko Watanabe
Q. 2人が思っているラクーンズ像
大塚傑大:
一言で言ったら真面目で素直なチームだと思います。言ったことはやってくれるのでコーチとしてはやりやすいと思う一方で個人の想いは弱いと感じています。目標に対して現在の自分がどうなのか、目標と現在地に差がある時にどういうことをすべきなのか取り組みを見つけ、決めたことを行動する、この流れがチーム全体的にうまくできていないと感じています。その原因は、どんな人間、選手になりたいなどの想いが薄いからだとコーチになり1番感じている部分です。フットボールをうまくなる前に人間として成長することが大切という仁木前監督が仰っていたチームマインドにしっかり乗っ取った行動をする部員が過去に比べて少ないと感じています。アメフトをうまくなるためには人間として成長しないと難しいと思っています。チーム全体がもっとどういう人間になりたいのか考え、コーチがそういった方向に部員を向けるような組織作りをしていかないといけないと思っています。
山口輝:
真面目でもあり、真面目すぎるチームだと思っています。ラクーンズは未経験が多い中で他のチームと同じ取り組みをしていたら勝てないので、筋トレや練習でもっと突き抜けたことをしなくてはならないと感じています。ラクーンズも55年になるのでどこかで変えないと勝てません。勝つためにもまず、人に求めて、自分が本当にできているのかを考え、行動に移すことが必要だと思います。大塚傑大:
今のチームの雰囲気は言われたくないから言わないというのが少しある気がしています。言ったら責任もあるし、自分も行動しなくてはならなくなる。それをもっと部員全体が求めあっていかなくてはならないと思います。言動先行型でも良く、それを見せることが大切だと思います。
Q. 新入生を含め、OLの後輩について
大塚傑大:
OLはオフェンスの核にならないといけないポジションであり、それは試合でその雰囲気でやればいいのではなく普段の練習からチームを代表するような努力や取り組みが必要です。それが試合でオフェンスを牽引する資格に繋がると思います。なので、どのポジションよりも自分の成長に関して努力をする集団になってもらいたいです。今年のOLは良くいうと粗が無い、悪くいうと飛び抜けたものがない。それを誰かが飛び抜けた存在になり、ラクーンズの基準を壊していける選手が出て来て欲しいと思っています。それは山口や藤原(2年#79)が成るべき存在なので、普通に活躍するだけでなく学生を代表する活躍をしてほしいです。
山口輝:
OLの後輩はサイズやトレーニングの数値などで僕が1、2年生の時に比べ遥かに良いものを持っています。下級生がラクーンズ止まりではなく、日本代表や社会人に勝ちたいなど高いレベルを目指して日々の取り組みをし、成長していって欲しいです。また後輩には、将来を見据えた練習や思考を持ち、下級生の時からチームを視野にいれて考えることをして欲しいです。大塚傑大:
4年生になってチームのことを考えるのは当たり前な話で、限られた学生生活の中で誰しもが自分の代で日本一になりたいと思うのは普通のこと。けどそれを4年生になってから気づいてももう遅くて、それで勝てるような甘い世界じゃないです。だから、どれだけ下級生の時から4年生と同じ想いで練習から取り組むかが重要になってきます。4年生が未来のラクーンズのためにもどういう想いで取り組んでいるのか後輩に伝えることも大切です。
 

Q.  秋の試合に向けてのモチベーション
山口輝:
毎年番狂わせを起こしてやろうと思っています。今年はそれができる最高の対戦相手が揃っていると思います。この3校を倒して、さらに逆山から勝ち上がってくる相手を倒して甲子園ボウルに行きたいです。こっちから食ってかかってやってやろうという思い、自分がDLからOLに来た意味や、オフェンスとして果たさないといけない責任を試合を通して示していけたらいいと思っています。
大塚傑大:
日本一になりたいというのが全てのモチベーションです。今年甲子園球場にいって勝っている姿を想像し、自分を奮い立たせています。高校と社会人で日本一を経験させてもらっていて、日本一になった瞬間はこれほどにもない幸福感で全てが報われる感覚です。どんなに辛い練習でもこの幸福感を味わえるなら何回でも練習できるなと思うくらいこの達成感はすごいものでそれをみんなには味わってもらいたいです。学生時代にこのような成功体験を経験し社会に出て欲しいです。日本一は全てのものを捧げて成し遂げる意味があると強く言いたいです。なので、一緒になって頑張りたいと思います!
 

Photo by Yuko Watanabe
Q. 秋シーズンに向けての展望
大塚傑大:
試合までの日々を今年のスローガン「WIN THE DAY」にあるように、その日できることを全てやりきることを積み重ねていくことしかないと思います。コーチを含め部員全員が試合会場に立った時にできる限りのことはやったと思える状態にしたいです。そのために、日々の練習が重要です!
山口輝:
どれだけ試合当日までに自信をつけて臨めるかが重要であるかをこの4年間で経験してきました。本当に日々1日1日WIN THE DAY していくことが日本一になるために必要だと思っています。間違いなく秋シーズンはライン戦になると思うので中大のOLが一番だと示したいですし、対戦する相手チーム3校に不足はないと思うのでそこに対してどれだけ自分たちの取り組みをぶつけられるか。ラインで勝ちます!
Q. 保護者の皆様、OB OGの方々への一言
大塚傑大:
平素より沢山のご支援頂きありがとうございます。
学生日本一という目標達成に向けて、学生と一緒に成長して参ります。そして、フットボールを通じて、皆様に勇気や感動を与えられる集団、人間になるべく精進致します。
今後ともご支援ご鞭撻の程宜しくお願い致します。
山口輝:
いつも沢山のご声援ありがとうございます。
今年は例年と違い、無観客試合ではありますが、必ず学生日本一になり皆様に恩返ししたいと思っておりますので、最後までご声援の程よろしくお願い致します。