【Before the Huddle 対談インタビュー第6回】
51期主将 神谷康治×52期主将 樋口尚行

1.  主将になっての変化
樋口尚行:
主将になって全部が変わったと思います。考えのスケールを神谷さんに教えてもらい3年生、4年生では考えや自覚に変化があったと思います。いろんな経験をしながらチームと共に主将としても成長しようとしています。3年生の時は一選手としてどう結果を残すか、チームの勝利に貢献するかを常に考えていました。しかし、今年は主将としてこのチームをどう勝たせるかを考えるようになりました。
神谷康治:
学生スポーツは4年間しかなく、3年生までは自分のプレーだけに集中していればいいですが、4年生になると急に全部肩に乗ります。その時から全部を背負っている感じになりました。ですが、主将になったからといって全てのことを変化させてはいけないと思っていました。今まで大切にしていたことは変えず守ることを心がけていました。あと主将はチームの誰よりも1番見られるということを意識していました。さりげなく水場で後輩やマネージャーと話すとか、大学内で挨拶するとかそういう全てのことに対して全人格で当たろうと思っていました。360度どこから見てもこの人がキャプテンだなと思われるような行動をしていました。
2.  神谷さんからみた樋口選手
神谷康治:
3年生でスターターとして試合に出場しチームの主力になった時、既に来年の主将は樋口だろうなと思っていました。樋口にもチームを引っ張っていかないといけないよと伝えていました。DLの後輩だからというだけではなく、樋口が主将ではないのかなって想像はしていました。明らかに去年から3年生の中でナンバーワンの選手でしたし、コーチにも言われていたと思います。あと樋口は群れない。とにかく負けず嫌いで悪い流れに対して乗っていかず、常に俺は負けたくないからという軸で練習してきた選手だと思っています。周りが伸び悩んでいた時期でも樋口がオフの日に練習に来ていたり、自分のうまくなりたいとか勝ちたいっていう基準で行動できる人だなと思っていました。だからこそ3年生の後半からチームという角度で考えてと伝えた頃から一気に視野を広く持ち、周りに接してくれました。そういうところではなにか1本ぶれないものが1年生の時からある男でした。だからこそ樋口がチームのことを考えたらよくなると思っていたので自分が主将の時助けてもらっていました。樋口の尊敬するところは、1プレーヤーとしての樋口とチームのトップとしての樋口がうまく切り替えられるところです。それは僕ができなかったところなので羨ましいです。
3.  樋口選手からみた神谷さん
樋口尚行:
神谷さんは僕が神谷さんを語るのはおこがましいくらい尊敬しています。フットボールのテクニック、IQ的なこと、主将として、人としても偉大ですし、神谷さんは正しい人という感じです。自分が行き詰まった時に神谷さんに聞けば解決すると1年生の時に気づけたのが自分の中で大きかったです。自分には無い視点からのアドバイス、主将像をもっているのでチームを作る時に大きな影響をもらった先輩です。

4.  2人にとってのフットボールとは
樋口尚行:
自分の価値を発揮できる場だと思います。今まで生きてきて培ってきた能力、経験、考え方を自己表現できる場であると思います。
初めは1スポーツという感じでしたが、フットボールはスポーツじゃ片付けられない魅力があると思っています。神谷さんや佐藤さん(49期主将)池田さん(50期副将)など1年生の時からお世話になった方々から得たものを発揮し価値を生み出す場だと考えています。
神谷康治:
フットボールとは僕にとって親でもあって親友でもあります。僕自身が中学からフットボールを始めてフットボールに教えてもらったことが多くあり、それは引退してもずっともっている感覚です。親みたいな教科書みたいな存在です。親友みたいというのはフットボールと一緒に成長してきたからです。高校と大学ではレベルが上がるのでそこで挫折もしました。フットボールを突き詰めて強くなり、周りの信頼を得ることができたので一緒に育ってきたという感覚もあります。
フットボールを通じて恩返しというか人に貢献できることが多いなと思っています。フットボールで勝ちたいですとかいろんな思いでラクーンズに入部してくる人たちと一緒に練習し考えを共有することでフットボールを通してそういった部分でその人の成長に貢献できるところは魅力です。
5.  試合の時のモチベーションは?
樋口尚行:
今のモチベーションは自分についてきてくれる130人を日本一へ導くことです。それが1番です。ラクーンズは真面目で求めたもの全てを全力で取り組めるチームだと思っています。過酷な事を要求したり、厳しい事を言ったりする自分についてきてくれる部員を日本一にしないと漢(おとこ)として失格だなと思っています。
神谷康治:
チームと主将は一心同体で平日コーチがいなくて主将が練習を仕切る中でチーム=僕と思っていました。チーム自体が自分を投影したものでチームが存在していてそこに同じ目標をもった部員がいることがモチベーションでした。
6.  2人が思うwin the day とは
樋口尚行:
永遠のテーマだと思います。
神谷康治:
目標に向かって練習をしていて不安になった時とかに誰もがパッと立ちもどりやすい場所であり、言い訳できないものです。1番見直さないといけないのは1日自分の生活の中で勝つような行動ができていたのか振り返れる場所を作りたかったのでwin the dayをスローガンにしました。
樋口尚行:
どんな人でも状況でもwin the dayはシンプルだけど1番難しいテーマです。もっとwin the dayを突き詰めないといけないからこそ今年もスローガンはwin the dayです。

7.  試合前に大切にしていること
樋口尚行:
ひたすらいつも通りやることです。
神谷康治:
樋口は試合前になんかこれを変えますということはなかったです。試合こそ普段より普段通りに。同じように朝起きて同じように勝って家に帰ればいつも通りでしょと樋口が言ってました(笑)
樋口尚行:
本当にいつも通りを心がけています。試合前やることは練習前もやれよと思います。
神谷康治:
みんな試合は特別な感じでやるけど、本当に変えないから樋口の強さはここかな。
樋口尚行:
無理に意識すると緊張するので本当にいつも通りです。
神谷康治:
僕は結構試合前に何を言うかはすごく大事にしていました。試合前日までにチームの雰囲気を感じ取り何パターンか用意して、その日の雰囲気に合わせて話していました。あと部員を観察してチームの動きを見ることを大切にしていました。樋口尚行:
春の試合がなく、まだ試合前にチームに向かって話してないですけど、試合前最後に自分がみんなの力をどれだけ引き出せるか、そういう場として大切にしたいです。
8.  2020年チームに神谷さんが期待すること
神谷康治:
今までにない状況だからこそラクーンズに関わる全ての人やフットボールに関わる人が注目しています。今年はラクーンズにとって生きるか死ぬかの正念場だと思っています。コントロールできない状況が続いている中で出来ることを徹底的に探して行動したチームが今年は勝てると思います。真面目と言われているラクーンズがここでできることを徹底的に探して未来のラクーンズを背負ってると思い、現役の部員には思い切って胸を張ってプレーしてほしいと思っています。
9.  今年の試合の見どころ
樋口尚行:
一言で言うと気迫。ラクーンズは真面目と言われています。真面目なことはいいことですが勝負の勝ちに対する飢え、執着心、気迫がまだ足りないと思います。今年の僕等の取り組みは過酷なものばかりで、絶対に負けられない理由が沢山あります。ですので見たことない気迫で勝ちをもぎ取りにいきます。真面目なラクーンズにプラスで過去より突き抜けたラクーンズを体現したいです。フットボールに関しては精神的にも身体的にも強くなってきています。その必死に食らいついてきてくれる部員を勝たせたいです。

10. 保護者の皆・OBOGに向けて
樋口尚行:
日頃より御支援御声援いただき、誠に有難うございます。
2020年度ラクーンズ主将の樋口です。今年度より須永HCをお迎えし、部員一同、日本一基準のハードなトレーニング、練習に取り組んで参りました。OBOGの方々の悔しさ、そして何よりコロナ禍での部活動への御理解をいただいた保護者の皆様への感謝の気持ちを胸に必ず史上初である学生日本一という歴史をつくります。皆様の御支援御声援は確実に僕等の力になりますので、応援の程、宜しくお願い致します。