【Before The Huddle 第6回】
 
定成 吉輝「自分とは。」
 
兵庫県立長田高校出身。
高校時代はサッカーを経験。
大学からアメフトを始め、昨年の春に5試合、秋に3試合出場。
今年の春も2試合出場し、秋シーズンを通して活躍が期待される。
関西出身の高身長TEであり、持ち前の高身長を生かした誰も届かないスーパーキャッチはまさにラクーンズのスカイツリー。
 
 

 
(3年 TE 背番号81  187cm  94kg  )
 
 
《Q1 アメフトを始めたきっかけは何ですか?》
 
大きい要因と小さい要因があります。
 
小さい要因は、父が大学でアメフトをしていて幼い頃から甲子園ボウルやライスボウルを一緒に見ていたことです。
 
このことは自分の潜在意識の中でアメフトへの興味を湧かしていたのかもしれません。
 
 
大きい要因は大学人生において自分にないものを持つ人達と関わりたいと強く思ったことです。
 
新歓期に色々なサークルにも行きましたがなかなか合わず、友達に誘われラクーンズの新歓に参加しました。
 
その時に川瀬(TE 4年)さん、星(DL 4年)さん、小濱(AS 4年)さん、畠(OL 3年)と同じチームでフラッグフットボールをしました。
 
とても楽しく、交流していく中で自分にないものを多く持っているなと実感し、惹かれました。
 
特に、アメフトという競技の特性上か分からないですが、サッカーをやっていた頃には決して出会わなかった種類の面白さを持った人が多いなと思いました。
 
 
 
《Q2 サッカー部時代の印象的な出来事はありますか?》
 
小、中とやっていたサッカーでは挫折知らずで、中学生の時は全国大会にも出場していたので鼻高々と高校に入学しました。
 
しかし、高校サッカーは中学サッカーとは異なりスピード、フィジカルなどほとんどのものの次元が違いました。
 
また、高校の同期は皆、県では有名な選手ばかりで自分だけCチームにいました。
先生からもこのままでは使えないと言われていました。
 
その時に初めて自分自身を見つめ、何がこのチームに必要で、自分に何が足りないか、要するに自分という現実を受け入れました。
 
当時、自分自身のプレーを撮影してもらい実際に見てみた所、想像以上に下手で、かつ身勝手なプレーをしていました。
 
チームに今一番必要な能力は何なのか、チームの11人としてフィールドで戦うには何が必要なのかを考え、見出した特性を伸ばし続けました。
 
 
とても苦しく、逃げ出したくなる思いでしたが、結果的にはスタメンを奪取し、最後の試合の前には先生から最も頼りにしているという言葉まで貰えました。
 
 

 
 
 《Q3 サッカーからアメフトに活かせたことはありますか?》
 
サッカーを通して学んだ、
 
「自信を持つ必要性」と「自分が置かれている現実を受け入れる」
 
ということはアメフトに関しても同じ様に言えると思います。
 
 
やはり何のスポーツでも自分への自信がある事はとても大事だと思っています。
 
相手に負けてしまうと思うよりかは、僕は勝てる、こいつを負かしてやると思っている方が遥かに良いプレーが出来ると思っています。
 
よくサッカー界で有名な言葉で、「自信と過信は紙一重」という言葉があります。
己を過信しすぎず、自信を持ちながらプレーすることが大事です。
 
また、自分の置かれている現実を受け入れるというのは、普通の人ならやらないことです。
 
なぜなら自分を見つめるほど自分というのがいかに弱く、愚かで、傲慢であるか分かってしまうからです。
 
しかし、これを行うことで、自分は何が足りず、ライバルとはここが大きく差がある。など自分の弱さが見えます。
 
 
そうして、自分の能力を一皮剥かせることが大事だと思っています。
 
 
 

 
(photo by Ken Matsubayashi))
 
 
《Q4 大切にしている価値観は何ですか?》
 
自分にとって一番大切なものは家族です。
 
家族を大切にするというのは自分の中で大きな指針だと思います。
 
自分は1年浪人して関西から上京してアメフトをしています。
 
その為の費用などは相当なもので、一人暮らししつつ、それでもなお自分が好きでやっているアメフトをわざわざ関西から応援しに来てくれます。
 
そんな両親には感謝の気持ちでいっぱいです。
 
また、自分には3歳上の兄がいるのですが、兄よりも人格に優れた人間に出会ったことがありません。
 
私の価値観の大部分は兄によって形成されています。
兄は私の師であり、尊敬する存在です。
 
自分の兄は自分が岐路に立たされた時に、答えをあえて教えてくれません。
 
自分が選んだ道が例え茨の道であったとしても、自分の意思を尊重しながら影で応援してくれる素晴らしい兄です。
 
そんな私の家族への想いが、私の大切にしている価値観です。
 
ですので、自分やチームの応援に来てくれた時、より一層励みになり、頑張ろうと思えます。
 
 
 

(右は定成のお兄さん)
 
 
《Q5現在アメフトを続けている1番のモチベーションは何ですか?》
 
「チームを勝利に導く」という想いが自分の1番のモチベーションです。
 
当時参考にさせて貰おうと思い、TEの良い選手を探していた所、自分の理想の選手に出会いました。
 
その選手は強くて上手いだけでなく、とにかく最後まで愚直にプレーしていました。
 
強さだけでなく、プレースタイルから勝ちたいという想いがひしひしと伝わってきました。
 
その想いは間違いなくチームにも波及しており、まさにチームを勝たせることができるプレーヤーでした。
 
自分も同じ様にラクーンズを勝たせるプレーヤーになりたいです。
 
あの人になったらどんなアメフトの世界が見えるんだろう。同じ景色を見てみたいという思いでアメフトをやっています。
 
 
 
また、アメフトが上手くなりたいというのとは別に、自分がやると決めたことを最後まで成し遂げる事は凄く大事だという考えもアメフトを続ける理由としてあげられます。
 
大学生の期間だけなのに何かをやり遂げられなければ、今後の人生においても何かと理由をつけて逃げてしまうと思います。
 
今までは小学校、中学校、高校と知らず知らずのうちに始めたスポーツをやっていましたが、アメフトは初めて自分自身でやると決断したスポーツです。
 
だからこそ自分の決断には責任を持って最後まで貫き通し、結果を残したいです。
 
 
《Q6アメフトを通しての個人としての目標は何ですか?》
 
相手ディフェンスが嫌がるぐらいの、えげつないフィニッシュが出来るプレーヤーになりたいです。
 
とにかく笛が鳴るまで押す、掴む、前に進む。
 
「上手い」や「強い」といったことは、他のオフェンスの人達に任せます。
僕より遥かに上手く、強い人がいるので。
 
自分はとにかくしつこくフィニッシュし続けて、ディフェンスを嫌がらせるオフェンスのプレーヤーになりたいです。
 
練習を通して自分が上手くなるほど、強くなるほど、オフェンスは強くなると思いますし、全ては勝つ為にやることです。
 
自己犠牲とは言いませんが、自分が良くなくても勝ちたいです。スポーツで負けるほど恥ずかしいものはありません。
 
自分の目の前の相手にはもちろん全身全霊をかけて戦いますが、極論チームが勝つ事に意味がある。
 
仲間のために自分自身も勝ちたいという思いでやっています。
 
 
 
 

 
 
《Q7ラクーンズの魅力を一つあげるとしたらどこですか?》
 
51期の4年生です。
 
今年の4年生は、雑用をはじめ、何から何まで全て自分達で行なっています。
 
リーダーとは何か。組織とは何か。ラクーンズで初めての改革にも関わらず、自信と誇りを持ちながら、背中だけでなく、プレー、オフザピッチ、全てに全力を尽くしてチームの為に捧げる姿勢は本当に見習うべき姿だと思っています。
 
率先垂範し、チームを土台から支え、引っ張っていく姿は次4年になる僕達も引き継ぐべきものだと思っています。
 
今年の4年生の為にも、一つでも多く勝利を積み重ねたいです。
 
 
《Q8今までの試合を通して印象深かったシーンはどこですか?》
 
昨年の秋の法政戦です。
 
当時のエースTEの島津(50期 TE)さんが怪我で出られなくて、代わりに自分が出場しました。
 
その時にキックアウトのプレーがあったのですが、法政のDEの選手に青天させられました。
 
あの時に初めて自分のフィジカル、テクニック、全てがまだまだTOP8のチームには通用しないんだと心の底から分かりました。
 
あの時の悔しさ、屈辱を忘れないように練習、筋トレに取り組んでいます。
 
 
 
《Q9 今シーズン注目して欲しいプレーを教えて下さい。》
 
パワーのダウンブロックです。自分の中では今1番自信があります。
 
昨年はかなり苦手意識を持っていたプレーですが、とにかく色んな人のパワーのダウンブロックを見て自分に適したやり方を探求しました。
足を出す角度から手の出し方まで徹底的に再現しました。
 
自分がキーブロックなので、自分がパワーを出し、RBにタッチダウンを取ってもらおうと思っています。
 
ご声援よろしくお願いします。